先祖調査の方法

このページは今後少しずつ拡充して参ります!

ネット検索やよくあるノウハウ本で出てこないコツも書いていきますのでお楽しみに!

  1. 心構え
    1. 必ずご先祖を見つけ出すという執念を絶やさぬこと。
    2. 自分以外にご先祖のことを見つけ出せる人間はいないということ、時間が経つほど発見可能性は低下することを自覚する。
    3. どんな些細な情報でも諦めずに確認し、丹念に調べ上げること。深い洞察力を養うこと。
    4. 先入観は捨てること。決めつけないこと。
  2. 総論
    1. きちんと戦略を立て、順序立てて調査対象者に接触すること。
    2. 手持ちの情報から抽出できる情報を絞り出す
    3. 調査日誌やメモを必ず残すこと。
    4. 脚色はしない・伝聞には気を付ける
    5. 調査方法・知識のアップデートを
    6. 搦め手からの調査も
  3. 調査方法
    1. 1.戸籍・除籍簿の系図作成
    2. 2.まずは調査の本拠=先祖の居住地を確定する。つまり最古の除籍簿の本籍地について調べる
    3. 3.郷土史でご先祖の居た頃の地域の情勢(特に産業や移動関係)、宗門人別帳等の古文書情報、資料提供者(=古文書所有者)を調べる。
    4. 4.ご先祖の住んでいたところ付近の寺院をgoogleマップ等で洗い出す。
    5. 5.目星を付けたところに現地調査しに行く。墓地の場所が把握でき、記載事項をメモしたら、戒名(法名)から何宗か検討を付けてみる。墓地周辺の同姓に聞き込み又はアンケートを出してみる。
    6. 6.寺院への問い合わせは後で
    7. 7.系図がたくさん見つかったが、齟齬がある場合
  4. 注意事項
    1. 家紋だけでは先祖は辿れない
  5. 資料請求

心構え

必ずご先祖を見つけ出すという執念を絶やさぬこと。

探すのを止めた時 見つかることもよくある話で(井上陽水♪夢の中へ より)

探し物をしているときに全然見つからず、後になって突然出てくるという経験は誰でもあると思います。

先祖調査も同じです。見つからないのは、探す場所を間違えているだけでなく、見つかるタイミングはもう少し後なのかもしれません。大事なのは<諦めないこと>です。

家や職場で探し物をするとき、何度もあちこちひっくり返し見ますよね。しかし、先祖調査となると各調査先へ一回の訪問だけでなんだか満足して記録の有無を判断してしまいがちですが、先祖調査は家や職場での探し物の延長線にあるものです。

 もちろん、予算や調査対象者の迷惑というものがありますので、際限なくというわけには行きませんが、現場百回のつもりで、少なくとも2回ずつは訪れてみましょう。1回目は不慣れであり多少の緊張もあって目に入らないものです。しかし、2回目以降になると目が慣れてきて、有益な情報に目が留まることが多くなるはずです。ですので、1回目に遠くの現地調査をするときは、ご先祖の住んでいた場所の雰囲気をしみじみ味わうだけでも十分な成果かと思います。

自分以外にご先祖のことを見つけ出せる人間はいないということ、時間が経つほど発見可能性は低下することを自覚する。

ご先祖が有名人であれば研究者やマニアが勝手に調べてくれますが、そうでなければ調べる気のある子孫しか記録を残せる人はいません。自分がやめたら記録は残らないかもと思い直しましょう。

どんな些細な情報でも諦めずに確認し、丹念に調べ上げること。深い洞察力を養うこと。

刑事ドラマの捜査をイメージし、(たった一人の)捜査本部のつもりで挑むこと。

深い洞察力を以て、少ない情報から抽出できるだけのヒントを、あるいは些細な情報同士の関連を見いだし、ミクロとマクロの視点を往復し、あらゆる仮説を立てて検証すること。

合理的というか直線的な人生などありません。誰でも多かれ少なかれ、無駄なことや判断ミス、気分や無意識でやったこと、無理しちゃったこと、迷ってどっちつかずなことをしてしまったこともあるでしょう。考えを整理することは当然必要ですが、決して理詰めだけで、しかも断片的な情報だけを直線的に繋いで決めつけてかからないこと、柔軟な思考で状況を把握し、様々な仮説を考え、必要な資料の見当を付けることが肝要です。

先入観は捨てること。決めつけないこと。

たとえば、誰でも学校で日本史を俯瞰的に教わりますが、当時をリアルタイムに生きていたご先祖にとってはそうではありません。歴史書には天地を揺るがす大事件だったと書いてあっても、遙か離れた山奥に住んでいた先祖にとっては無関係どころか知らなかった可能性もありえるでしょう。マスコミやSNSのない当時、今より遙かに情報は偏在しています。郷土史に、この地域は当時○○産業が盛んだった、と書いてあったからといって、必ずしもご先祖がその産業に携わっていたとは限りません。さらには、「うちは百姓だった・武士だった」というのにその方面で探しても何の手掛かりも得られないときは、口伝が間違っていたとかご先祖が詐称していた可能性もあります。そういう際に諦めずに、他の職業にも範囲を広げて探すと見つかるのかもしれません。

先入観があったり、あるいは情報の価値がわかっていないと、視界に入っていたのにもかかわらず、脳がその存在を認識できず、見えていないのと同様の状態になってしまいます。

総論

きちんと戦略を立て、順序立てて調査対象者に接触すること。

寺院や同姓、郷土史家、図書館等職員など協力してくださる方への接触は何度も接触して迷惑にならないように接触回数をできる限り減らすため、また一回ごとの現地調査を最大限に活かすため、毎回事前の準備を万全にし資料を整理して頭に入れ確認事項を書き出しておくこと。

どういう情報があれば次のステップにいけるか、つまりどういう情報が必要か、そしてそれはどこにあるのか、という仮説を常に立てながら戦略を立案しましょう

手持ちの情報から抽出できる情報を絞り出す

例えば、数学の図形問題で、三角形の内角のうち2つの角度がわかれば残り1つの角度もわかります。平行四辺形であれば1つの角度がわかれば残りもわかります。三角形の2辺の長さがわかれば、残り1辺の長さもわかります。これはもっと複雑な問題になっても、あるいはナンプレなどでもすべて同様で、

手持ちの情報からわかることを順次導出し整理していけば、最初には見えなかった情報が現れてきます

もちろん、数学やナンプレと異なり、先祖調査の場合は手持ちの情報だけで解答にたどり着くことはまずありませんが、

答えに辿り着くためにどのような情報が不足しているか、つまり調べるべき対象がわかってきます。そうすれば、あとはどこに情報があるか、まずは典型的な所を探しましょう。それで見つからなければ個別の状況に合わせて自分で工夫してあちこち当たって探し出すのです。

しかし逆に手持ちの情報からどうしても絞り出すことができない場合も当然あります。そういう場合は、何かポンと仮定をして、それを検証していく作業が必要になります。これは数学に例えるなら、突然「n=3とおく」などと言って全然問題文に書かれていない仮定をして証明に入っていくようなものです。閃くか解法を知っている必要はあります。洞察力を養い、あちこちの先祖を調べて経験を積むことが肝要です。

調査日誌やメモを必ず残すこと。

いつどういう情報を前提にどう判断したのかという判断過程、何を調べて/誰にインタビューして、何がわかったのかをきちんとメモを残しましょう。あとで見返したとき、あるいはあなたの後継者が調査を引き継ぎ、あるいは裏取りをしようとしたときに、あなたがどのような調査過程・思考過程を経て何を調査しあるいは何を調査・検討していないのか、何を誤解していたのかがわかり、必ず役に立ちます。

些細なこと、特段重要とも思われなかったことも子細にメモしましょう。意外に後から良いヒントとなることがあります。後から二度手間三度手間になることはできるだけ少なくしましょう。

印刷物の場合は、見やすいですが、探すにも持ち歩くにも不便です。手間は少し掛かりますが、パソコンに入力しておくと検索することもできますし、Googleドライブなどのクラウドサービスを利用すれば、現地調査時やインタビュー時に、参照したいファイルをいつでも見ることができ、調査チャンスを逃しません。特に検索は非常に大事で、調査が進行するほど書類が増えて行きます。資料を見つけ出すにも、例えば<明和生まれの人を探す>というようなときにも、目視で見つけ出すと無駄な労力がかなりかかってしまいます。調査メモ用の文書ファイルあるいは表計算ファイルを調査の都度更新し、写真ファイルやスキャンデータには適切なファイル名なりフォルダ名なりを付けるようにしましょう。もちろん、調査時によく参照するであろう資料は印刷して持って行った方がよいです(外では太陽光により液晶が見づらく、画面照度を上げると電池の消耗が速いですし、調査対象者と一緒に参照するなら印刷物が便利です)。

脚色はしない・伝聞には気を付ける

家族史やメモなど記録する場合には、後世の誤解・誤伝の温床となりますので、脚色はしないようにしましょう。法律学の世界では、伝聞法則というのがあり、伝聞(自分で書いた書面もこれに含まれます。)は、事実の知覚⇒記憶⇒表現叙述の各過程で、見間違い・聞き間違い、記憶の減退・混濁・変成、言い間違い・聞き間違い等が起こりやすく、正確に伝わらない蓋然性が類型的に高いため、原則として刑事訴訟の証拠にできません。これは先祖調査においても非常に参考にすべき考え方です。

誰かから話を聞いた場合は、聞いたまま記録することと、聴取対象者自身の体験なのか伝聞なのかをきちんと分け、伝聞であれば誤伝の可能性を必ず考慮するようにしましょう。

家族史を歴史小説のように脚色して書けば、感動的かもしれませんが、執筆者の想像が多分に盛り込まれており、それを事実であるかのように子孫が受け取ることになるのは憂慮すべきですから、脚色は避けるべきですし、想像は私見として区別すべきです。また、ご自身が調査する際に見つけた資料についても、脚色があるかよくよく吟味し、ありそうであれば差し引いて考える必要があります。

調査方法・知識のアップデートを

ほんの十数年前までの中高の日本史の授業では、士農工商とか、秀吉の刀狩りで農民は刀を持てなかったとか、土地に束縛されていたとか教えられたと思います。しかし、最新の研究では、意外にも身分をまたぐ転職というのが普通にあり、太刀は持てなくとも小刀や銃は持てたとか、移動の制限は現代の外国旅行・移住と同様で出稼ぎも普通にあったとか、様々変わってきております。ですので、昔の学校で習った知識や、テレビ等で得た常識などを元に推論すると結果が全然違ってくるということもあるでしょう。ですので、最新の日本史の情報をネット等で調べて頭に入れておきましょう。

また、古めの先祖調査のノウハウには「地元の古老を訪ねる」などと書いてありますが、これに期待するのはもう時代遅れでしょう。郷土史家は別として、古老、高齢者といっても、既に70代は戦中戦後生まれであり大概「昔のことはわからない」もので、後期高齢者ですら昭和1桁~大正生まれで、90代で記憶が残っているにしても明治生まれの親や祖父母から聞いた話の一部とか近所の古くからありそうな家とその当主名と職業くらいなことが多いです。ですので、古いノウハウの助言を鵜呑みにせず、高齢者を訪ねて「知らないなあ」と言われても、あまりショックを受けないようにしましょう。

搦め手からの調査も

自分の名字家系にしか興味がなく、そればかり調べて行き詰まってしまう人が結構います。しかし、嫁実家・婿実家の先祖も、何かの縁があって知り合って結婚したわけであり、近隣の村の出身であることが多いわけですが、昔は同じような階級同士で結婚するケースが多かったわけですから、自分の名字家系についてのヒントも、嫁実家・婿実家から得られる可能性があります。例えば、経済状況や職業であるとか、さらには嫁実家・婿実家にある家系図に嫁入り・婿入りした人物の名前と配偶者氏名が掲載されている可能性もあります。そういった直接的なヒントだけでなく、同郡の村同士であるならば後に合併して同じ市町村になり同じ郷土史に詳述されていることが結構ありますので、郷土史を読む際により注意深く精査するという効果もあるでしょう。

嫁・婿の実家情報以外からの攻めもいろいろやってみましょう。効率的ではないかもしれませんが、予想だにしなかったようなところにある史料に重要なヒントが掲載されていることもありえます。迷路は、スタートからだけでなく、ゴールからも辿ってみる。先祖調査の場合は、メインゲート(戸籍)以外にもサブゲートがたくさんあるのですから。

 

調査方法

1.戸籍・除籍簿の系図作成

2.まずは調査の本拠=先祖の居住地を確定する。つまり最古の除籍簿の本籍地について調べる

村の合併変遷情報はWikipediaを郡名で調べる。

法務局で本籍地の番地と、その付近の墓地(できればご先祖名義)を旧土地台帳で探す。本籍地の番地は、地番を元にしたものとは限らず、戸番の可能性があるので、地番だと思い込まないこと。旧土地台帳に所有者名として名前が全然出てこなかったら、昔の屋敷図のようなものを文書館等で探す。ご先祖の所有地・墓地がわかったら、法務局で旧公図を取得し、ブルーマップ(または住宅地図)で現在の地図と比較する。

3.郷土史でご先祖の居た頃の地域の情勢(特に産業や移動関係)、宗門人別帳等の古文書情報、資料提供者(=古文書所有者)を調べる。

4.ご先祖の住んでいたところ付近の寺院をgoogleマップ等で洗い出す。

googleマップ等の航空写真や住宅地図を使って墓地のありそうなところに目星を付ける。特に住宅地図で同姓が密集している場所の付近に墓地がある可能性が高い。ストリートビューで見えそうなところは見てみる。

5.目星を付けたところに現地調査しに行く。墓地の場所が把握でき、記載事項をメモしたら、戒名(法名)から何宗か検討を付けてみる。墓地周辺の同姓に聞き込み又はアンケートを出してみる。

現地調査では、法務局の他、図書館、文書館・郷土資料館等にて資料がないか確認する。事前にメールか電話で問い合わせ、もし複写サービスを利用できるなら調査前に資料を入手し頭に入れてから調査に臨むようにしておく。調査前に問い合わせをしていても、各職員の目にとまらなかった資料が重要である可能性もあるから、必ず自分の目でも所蔵資料を見に行くこと。

できるだけ写真も撮ること。同姓の墓石・家紋・位置もメモしておくとよいです。

6.寺院への問い合わせは後で

先祖調査というとまず先に寺に問い合わせようと思う人はかなり多いです。しかし、各寺の過去帳の書式によっては施主名と戒名と没年月日くらいしかないところも少なくなく、それだけで代々を辿れるとは限りません。できれば名前と年代くらいは下調べしてから、その資料とともに問い合わせた方が寺院にかけるご迷惑が少なくて済みます。そのため、寺院で過去帳を調べるより先に宗門人別帳等の古文書や家系図、墓地を調べましょう。ただし、家系図や墓地を調べるために子孫の連絡先の情報を知る必要があり、その手掛かりが寺院しかないという場合には、過去帳調べより先に、寺院に照会・紹介をお願いしましょう。

同姓への調査ができたら、同姓が利用している寺院に問い合わせる。同姓への調査の結果同族が見つからなかったら、周辺の寺院に問い合わせてみる。

7.系図がたくさん見つかったが、齟齬がある場合

系図が複数見つかることがあります。ないより絶対に嬉しいのですが、齟齬がある場合には比較検討が必要です。

齟齬の原因は、誤伝、転記ミス、うろ覚えで書いてしまった、仮冒(系図でっち上げ)などがあります。

そこで、各系図に記載されている官途受領名(仮名)、諱(実名)、没年月日、法名、婿養子、エピソードなどの人物情報を比較します。

わかりやすいように横軸(縦軸)に系図名を、縦軸(横軸)に代々の人物情報を並べて一覧表を作成しましょう。

系図は、兄弟相続した場合にも直線で繋いでいるものが少なくありません。他の系図にはある人物がない場合は、兄弟相続分を省略したものかもしれません。

また、仮冒を見破るため、尊卑分脈などの主要系図集で古い時代の方から辿ってみましょう。最近の世代になると主要氏族でない場合は主要系図集に記載がないため比較ができません。しかし、これだけでも本姓への接続を偽る仮冒を結構見破ることができます。

他の史料、特に書簡(手紙)などを探し、その宛名や差出人に名があれば実在した人物である証拠となりえます。江戸期以降については、墓石の情報や宗門人別帳記載の情報とも必ず対照しましょう。

注意事項

家紋だけでは先祖は辿れない

初心者は「下がり藤だから藤原氏だ!」などと短絡的に考えがちであり、また家紋で先祖がわかるかのような本がたくさん出版されていますが、基本的に家紋だけでは先祖は辿れません

一族同じものを使っているわけではなく、分家の際に変えたり、何か祝い事があって変えたり、何かを祈念して変えたり、上司などからもらって変えたり、代々の家紋がわからなくて好きなデザインを選んだり、など変わることはよくあります。系図の仮冒と同様、有力氏族(例えば藤原氏・源氏)の一族ということにしたいとか、藤原氏でないけどそう思わせたいとかいう政治的理由で藤紋を付けるということもありえます。いかに珍しいデザインであっても、数代前の人がそれを参考にして自分の家紋にしたとか、偶然の一致ということもありえます。

逆に、藤原氏でも全然藤紋ではない家紋の家系もあります。

家紋で先祖がわかると主張する本が売られているのは、そのような内容であれば簡単そうで読者ウケするからです。テレビ番組で専門家風の人が言っていた、という場合も簡単に信じてはいけません。きちんと専門書に当たるなどして自力で裏を取りましょう。

とりあえず、「源氏車だから笹竜胆だからうちは源氏だ」とかいう安易な決めつけは絶対に止めましょう。このようなことは、自分の先祖を数家系調べていれば数年内に納得出来るはずです。

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