続柄

先祖調査をする際に続柄が重要になってくるのはおわかりのことと思います。

除籍簿を取得しに市区役所・町村役場に赴いて申請書に本人との続柄を書く欄があり、曾祖父母・高祖父母までは知られているのですが、その上は何て書いたらいいのか?高祖父より前の代については言葉が決まっていないのですが、高祖父母の親は6世祖父母というのがよいでしょう。さらにその親は7世祖父母と。甥姪などの傍系や仍孫・雲孫などの子孫(直系卑属)を指す語についてはどうでもよいのですが、これら〇世祖父母は、除籍簿取得の際には記入が必須ですし、除籍簿取得以外にも調査対象者と接触して説明する際にわりと使いますので、必ず覚えておきましょう。

「実〇〇男」「〇〇の女」系譜や研究書で注意すべき続柄

系譜などの古文書や研究書などを読む際に注意していただきたい続柄の記載方法があります。

系譜には「〇〇男」とか「〇〇女」などと書いてあります。これは「〇〇の息子」とか「〇〇の娘」という意味です。「英男」とか「采女」のような「男」や「女」が人名の一部になっている名前ではないかと誤解してしまうかもしれませんが、実は違うのです。

昔は中点や「の」をあまり入れないので紛らわしいですよね。

「〇〇が男」「〇〇の女」という記載がされているケースもありますが、これも息子や娘の意味であり、恋人や愛人という意味ではありません。

古文書の記載を引用するだけなら仕方ありませんが、研究書などでもこういった記載方法にどっぷりと漬かりきってしまった執筆者は、同じように「〇〇男」などと書いているので紛らわしいです。これから先祖の記録を作って残す方は、子孫が誤解しないように人名と続柄は明確に分けて記載しましょう。特に、「次男」「三男」は「じなん」「さんなん」なのか「つぐお」「みつお」なのか混乱の元になりがちですので、今生きている身内なら読めばわかるだろうという甘えを捨てて、100年後の子孫が読んでもわかるように書きましょう。

「実〇〇〇〇男」という記載もあり、これは養子縁組をした養子の欄に書かれているもので、「実親は〇〇〇〇で、その息子です」という意味になります。養女の場合も同様に「実〇〇〇〇女」と記載されています。「実」が名字の一文字目の場合は紛らわしいのでよく注意しましょう。

除籍簿の続柄

戦前の除籍簿において、特に断り無く「長男」とか「祖母」とか書かれている場合は、戸主を本人とした続柄です。

直系・傍系

他の記事でも何度となく触れていますが、「直系」「傍系」は、しばしば誤用されています。

直系とは、ある人物を起点として、その人物の親の親の親の親の、、、、親、又は子孫が該当します。決して本家とかのことではありません。

傍系とは、ある人物の兄弟姉妹、ないしその人物の祖先の兄弟姉妹とその子孫を指します。決して分家のことではありません。分家の人を起点にすれば、本家の人は傍系に当たります。

本家・分家を別の言い方で表したい場合は、「嫡流」「庶流」などの言葉を使いましょう。この誤解をしていると、除籍簿取得の際に市区役所・町村役場の職員と話が通じません。