先祖調査とはどう違うの?他の家族史編纂業者とはどう違うの?
一般的な先祖調査では…
先祖の名前や生没年月日、家族構成、戒名等の発見と系図の作成を目的とし、できれば先祖のエピソードや暮らしぶりも明らかにする、ということになります。
本格的な現地調査を行う業者は少ないですが、先祖の姓名・戒名や菩提寺、本家等の発見、墓の読み取りなどを行い1600年代あるいは1000年代までを目指します。
大多数の先祖調査業者は、戸籍・除籍簿を収集して読み取り、1800年代以降の系図・家譜を作成するだけの至極簡単な業務にとどまります(調査内容としては非常に簡単ですが、筆耕や洋風、和綴じ本などデザインに凝った系図制作が魅力的ではあります)。
そのため、引渡品としての調査報告書は名字や家紋、地域等の概説と、戸籍調査のみプランでは江戸期の調査方法の解説、本格的な調査では先祖名や戒名等の一覧と調査経過にとどまることが多く、年表は日本史の主な出来事の脇に先祖らの本籍地や生没・結婚年月日等を記載する程度の業者がほとんどです。先祖の個性には深入りしません。
他の家族史編纂業者は…
業者数自体が少ないのですが、依頼者ご自身やご家族のインタビューと写真をまとめ、親族インタビューや裏付け調査はせずに、先祖調査と同様の系図と簡単な年表を付けるというところがほとんどのようです(かなりデザインに凝ったところもあります)。
自費出版サービスの一環(出版例)として自分史とか家族史と銘打っているだけ(執筆は依頼人自身がする)のところもあるようです。
当センターの家族史・人物事典
当センターが行う家族史・人物事典の編纂のための調査は、先祖の名前等の基礎事項や依頼人ご一家から得られる情報は当然の前提として、
ご親戚にもインタビューを行い、各先祖についての詳細なプロフィールやエピソードの掘り出しや、史料館などで証言等の裏付けとなる証拠の徹底的探索を行って人物事典を作成し、今ではどこに当たるのかわからなくなってしまった土地を古地図や土地台帳等で場所や地番を特定したり、場合によっては裁判所にも出向き、墓地位置図等を作成したり、昔の邸宅の間取り図を再現するなど、入手しうる最大限の資料収集して当家の情報をまとめ、家族史を記述します。
年表ひとつとっても、おおざっぱな羅列で済ませるべきではありません。日本史上の大事件があったとしても、遠く離れた土地に住んでいて、業種的にも関係ないとしたら、ラジオも無い時代なら何も知らずに暮らしていたかもしれません。流行や世相も、一般論としては把握すべきですが、必ずしも当家先祖もそうであった、と考えるのは早計です。
家族の歴史には生没や結婚だけのわけがありません。進学や転職、病気やお祝い、成功したり失敗したり、マイホームや引っ越しなど悲喜交々、様々な出来事、良い想い出・悪い想い出どれをとってもかけがえのない、それぞれの家族・先祖個々人の人生があります。一人一人丹念に調査し考察する必要があります。
当センターでは脚色は行わず、インタビューや調査の結果判明した事実を出典とともに記載いたします。出典を明記するのは、後世に子孫等が再調査した際に容易に検証することができるようにするためです。
200年後の子孫が読んでも、各人の人となり、どのように生きたか、どんな生活をしていたか、喜びも悲しみも幾年月。各時代の当家の様子がよくよく把握できるレベルです。
どのような調査を行うかについてはコチラ
もちろん、先祖に関する徹底的精査を行いますから、先祖調査段階では発見できなかった古い先祖を発見する場合などもありえます。
※ 徹底的と申しましても、個人・民間企業等へのインタビューや個人所有資料は、あくまで先方にご協力をお願いするものであり、強引な調査や無理強いはできませんし致しませんので、良識の範囲内でのご協力を求めるにとどまります。
家族史・人物事典ってどんなことを記載するの?
家別部分
家紋や歴代当主、本姓や氏族、来歴、間取り図、系図等を詳細に記します。
人物事典
人物事典部分は、ご依頼人の直系血族である歴代当主夫妻(将来のご当主なども含む。)について、見出し項目として、顔写真を始めとして記念写真や所縁のものの写真、サイン等の画像のほか、wikipedia風の詳細なプロフィール項目を記します。
資料や調査対象者の記憶の残存状況により、すべての記録が記載できるとは限りません。当然ながら、古くなればなるほど難しいです。古い時代の史料については、もちろん有力家系の場合は多く残存している可能性が高いですが、庶民的家系であっても、当地の地域や史料所蔵家系(庄屋など)が史料を大事に残してきた人々だった場合は、相当数の史料が残っています。
夫と妻がそれぞれ見出し項目となります。将来当主予定者に現在、子がいない場合は、その兄弟姉妹も見出しとなります。歴代当主夫妻の兄弟姉妹については、夫若しくは妻又は親の項目内で概説することになります。家督再継承者(一旦隠居したが、次代が死亡したために再び当主になる)は、見出しとしては初回の分にまとめます。
例:先代当主以前の歴代当主、現在90歳の現当主夫妻、その子である次期当主夫妻(依頼人)、次々期当主夫妻(現当主の孫夫妻)、次々々期当主候補の幼児3人(次々期当主夫妻の子で、現当主の曾孫。男女不問)は見出し項目となります。一方、現当主以前の歴代当主・次期当主・次々期当主の兄弟姉妹は、各当主夫妻の項目内での概説になります。 |
オプションで、ペットの犬猫の事典も追加することができます。
家族史やメモなど記録する場合には、後世の誤解・誤伝の温床となりますので、当センターでは脚色はいたしません。法律学の世界では、伝聞法則というのがあり、伝聞(自分で書いた書面もこれに含まれます。)は、事実の知覚⇒記憶⇒表現叙述の各過程で、見間違い・聞き間違い、記憶の減退・混濁・変成、言い間違い・聞き間違い等が起こりやすく、正確に伝わらない蓋然性が類型的に高いため、原則として刑事訴訟の証拠にできません。この考え方は先祖調査においても非常に参考にすべきと考えます。
誰かから話を聞いた場合は、聞いたまま記録し、聴取対象者自身の体験なのか伝聞なのかをきちんと分け、伝聞であれば誤伝の可能性を必ず考慮します。
家族史を歴史小説のように脚色して書けば、感動的かもしれませんが、執筆者の想像が多分に盛り込まれており、それを事実であるかのように子孫が受け取ることになる事態は避けるべきです。当センターでは、仮説ないし想像は私見として区別します。
記載項目
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まえがき、凡例、あとがき、協力者一覧、資史料一覧 | |
家族史 | 人物事典 |
氏族名・家名 家紋 本姓・姓(カバネ) 氏族 属性・種別(皇別・神別・諸蕃) 始祖・氏祖・家祖 成立年月日 発祥地 本拠地 氏神 菩提所(菩提寺・神社・教会など) 墓所 歴代当主(祭祀主宰者) 著名な人物 支流・分家 家系図 家史 間取り図・居住地図・墓地位置図 家族内用語集協力者一覧資史料一覧凡例 |
顔写真等の写真・資料写真
氏名(よみがな) 背格好、服装、好きな歌・歌手、好物・嫌いな食べ物、得意料理、癖など。 逸話 … エピソード、思い出など。 手形・足形 |
※ 史料やインタビュー対象者の記憶の残存状況により、すべての項目が埋まるとは限りません。 ※ 写真は適宜載せます。 ※ このほかの項目でご希望があれば、お申し出ください。 ※ 本姓は、男系の先祖調査が必要です。本姓とは、男系血統で継承される本来の姓を指し、例えば源平藤橘などのことです。しばしば誤解されていますが家系で継承するものではなく、あくまで男系継承ですので、婿養子がある場合はその養親とは男系が異なっている可能性があります。そのため、各先祖の本姓を確定するためには、男系を辿る必要があります。 例)源姓塩谷氏⇒朝業(藤原北家下野宇都宮氏)の婿入り後は藤姓塩谷氏 |
現地調査の内容
戸籍分の現地調査 | 法務局での土地台帳調査・閉鎖登記簿取得、親族インタビュー、文書館等での古文書・行政資料調査、図書館資料調査、居住地・墓地調査、その他得られた情報の裏付けに必要な機関・人物等への調査(例:自治体や裁判所など)、先祖所縁の場所・物品の撮影などを行います。 |
江戸期分・戦国以前分の現地調査 | 由緒書所持者への接触、文書館等での古文書調査、図書館資料調査、居住地・墓地調査、その他得られた情報の裏付けに必要な機関・人物等への調査、先祖所縁の場所・物品の撮影などを行います。親族インタビューは、当時の人物についての記憶のある方がいないので行いません(江戸期以前の先祖についての口伝については、戸籍分の親族インタビューに含まれております。親族が所持する系図・系譜・由緒書等の史料調査のためのご親族への接触は行います。)。 |